お菓子屋の物件選び、半年で10件見て分かったこと|家賃9万円の壁と駐車場の誤算

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マロン
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物件選びで一番大事なのは「立地の良さ」より先に、「家賃の上限」と「駐車場の台数」を自分の中で決めておくことです。今日はそのリアルな基準を、半年間10件見て回った実体験でお話しします。

結論から言います。お菓子屋の物件選びで失敗しないために大事なのは、「憧れの立地」を先に探すのではなく、「家賃の上限」と「駐車場の台数」を先に数字で決めておくことです。私は開業前、半年かけて10件の物件を見て回りましたが、見送った物件の理由はほぼ全部この2つでした。

半年で10件。物件探しは「見送りの連続」でした

お菓子屋を開業すると決めてから、実際に契約するまでに半年で10件の物件を見ました。多いと思うか少ないと思うかは人それぞれですが、10件のうち9件は途中で見送っています。

物件探しというと「良い物件を見つける」イメージがあるかもしれませんが、実際は「ダメな理由を見つけて、どんどん消していく」作業に近かったです。良さそうに見える物件ほど、家賃や条件のどこかに無理があることが多かったので。

見送った物件の理由は、ほぼ「家賃」と「駐車場」だった

9件の見送り理由を振り返ると、内容はほとんどこの2つに集約されます。

①家賃が高すぎた

私は開業前、1日の売上見込みを3万円と設定していました。これをもとに、家賃の上限をこう決めていました。

1日3万円 × 30日 = 想定月商90万円
この10%以内、つまり家賃9万円までに抑えたい

この基準を超える物件は、立地がどれだけ良くても見送りました。固定費はできるだけ抑えたい、というのが最初から決めていた方針だったからです。

実際に契約した物件の家賃は6万円で、この9万円という上限よりさらに低い水準でした。結果として、うちの原価率は材料と包材を合わせて実質45%と決して低くないのですが、家賃を抑えられたことで9年間経営を続けてこられました(この話は原価率のリアルの記事に詳しく書いています)。

②駐車場がなかった

もうひとつの見送り理由は「駐車場がない」でした。ケーキ屋のような小売の焼き菓子・生菓子店は、飲食店ほど滞在時間は長くありませんが、「ちょっと寄って買う」という車の利用客が多いのが実情です。駐車場がない物件は、それだけで候補から外していました。

決め手は「家賃6万円・13坪」の小さな物件

最終的に契約したのは、家賃6万円・13坪という決して大きくない物件でした。派手さはありませんが、「固定費を抑える」という自分の軸に一番合っていたのが決め手です。

お菓子屋の開業というと、つい「広くて目立つ路面店」に憧れがちですが、私は最初から「小さく始めて、身の丈に合った固定費で経営する」ことを優先しました。この判断は、9年間続けてこられた理由のひとつだと思っています。

オープンしてからの誤算:駐車場3台では足りなかった

物件選びの基準はクリアしたつもりでしたが、オープンしてから誤算もありました。それが駐車場の台数です。

契約した物件の駐車場は3台分。開業前は「これで十分だろう」と思っていましたが、実際にオープンしてみると、繁忙期には全然足りませんでした。結果として、近隣の月極駐車場を2台分、追加で借りることになりました。

この経験から言えるのは、「今の自分の売上イメージ」で駐車場の台数を決めない方がいいということです。繁忙期・クリスマスや母の日のような特別な日に、車が何台来ても対応できるか。物件契約の段階で、近隣にコインパーキングや月極駐車場があるかまで確認しておくと安心です。

正直な数字:1年目、一番売上が低かった日は18,000円でした

物件選びの記事でここまで書くお店は少ないと思いますが、正直に書きます。オープンして1年目、一番売上が低かった日の売上は18,000円でした。

想定していた1日3万円という数字に届かない日は、1年目には普通にありました。これは物件の立地が悪かったというより、お店の認知がまだない開業初期は誰でもこうなるということだと思います。だからこそ、家賃という固定費を低く抑えておくことが、開業初期の資金繰りを助けてくれました。

これから物件を探す人へ|先に決めておくべき3つの数字

半年で10件見て回った経験から、これから物件を探す方に伝えたいのはこの3つです。

  • ①想定日商を決める。強気すぎず、控えめな数字で仮決めする
  • ②家賃の上限を「想定月商の10%以内」を目安に決める。物件を見る前に、この数字を紙に書いておく
  • ③駐車場は「今の想定」より多めに見積もる。繁忙期・特別な日を基準に考え、近隣の月極駐車場の有無も事前に調べておく

物件は「良さそうだから決める」のではなく、先に決めた数字に当てはまるかどうかで判断する。これが半年間、9件を見送った末にたどり着いた、私なりの結論です。

開業までの全体の流れは開業ロードマップの記事に、資金計画の詳しい内訳もそちらにまとめています。物件探しの手順・居抜きとスケルトンの比較など「探し方の完全ガイド」は物件選び完全ガイドへどうぞ。

よくある質問(FAQ)

Q1. 物件を決めるまでにどれくらい見るべきですか?

私は半年で10件見て、9件を見送りました。件数そのものより、「家賃の上限」「駐車場の台数」など、自分の中の判断基準を先に決めておくことのほうが大事だと思います。

Q2. 家賃はどうやって決めればいいですか?

私は「想定日商×30日×10%以内」を上限の目安にしていました。実際に契約した物件の家賃はそれよりさらに低い6万円で、結果的にこれが経営を長く続けられた一番の理由になっています。

Q3. 駐車場は何台あれば十分ですか?

正直、契約時の想定より多めに見ておくべきでした。うちは3台契約でしたが実際は足りず、近隣の月極駐車場を2台分追加しています。繁忙期を基準に考え、近隣に追加できる駐車場があるかも事前に確認しておくと安心です。

まとめ

  • 物件探しは半年で10件、9件を見送った「消去法」だった
  • 見送りの理由はほぼ「家賃」と「駐車場」の2つ
  • 家賃の上限は「想定月商の10%以内」を目安に。うちは6万円で契約
  • 駐車場は契約時の想定(3台)では足りず、近隣の月極を2台追加
  • 1年目、最低日商18,000円の日もあった。だからこそ固定費を抑えることが大事

🍰 おまけ:お菓子の豆知識

ケーキの箱に入っている保冷剤、実は「大きさ」よりも「入れる位置」の方が効果に差が出ます。生菓子の真上に置くと冷気が一番効率よく伝わるので、持ち帰りの際は箱の中でずれていないか確認してみてください。

――以上、長くお菓子屋を続けてきたマロンがお届けしました。

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