お菓子屋が脇を脱毛した理由|生地への異物混入と9年やってきた対策

開業・独立系
マロン
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ちょっと変わった話をします。私は脇を脱毛しました。美容のためではなく、お菓子屋の仕事のためです。

お菓子屋にとって、異物混入はいちばん怖いことのひとつです。なかでも多いのが毛です。

結論から言うと、私は脇毛が生地に入るリスクを根本からなくすために、脇を脱毛しました。9回通って、費用は約2万円。修業していた頃、対策をしていても年に1〜2回は毛が入ってしまい、そのたびに肝を冷やしていたからです。

この記事では、勤務時代に実際に起きたこと、当時やっていた対策、そして脱毛という選択について、正直に書きます。これから開業する方の参考になればと思います。

修業時代、年に1〜2回は毛が入っていた

まず、なぜ毛が入るのかという話から。同業以外の方には想像しにくいと思います。

生地はミキサーで作りますが、そのあと粉などを合わせる工程は人の手で混ぜます。業務用のボウルは大きく、腕が半分くらい生地に浸かるほど深く入れて混ぜていきます。

この姿勢になると、体がボウルの上に覆いかぶさる形になります。腕を大きく動かし続けるので、袖口や脇のあたりから毛が落ちれば、そのまま生地の中です。混ぜている最中なので、落ちた瞬間には気づきません。

私が勤めていたお店では、複数人で製造していました。同じ作業を何人もが毎日繰り返します。

気づき方はいろいろでした。

  • 焼く前に生地の中に見つける——このときはまだ良かった
  • 焼き上がった商品から見つかる
  • お客様からのご指摘
マロン
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当時、私は製造責任者でした。お客様からご指摘をいただいたときは、お宅まで商品を引き取りに伺ったこともあります。あの時の気持ちは、今でもはっきり覚えています。

謝罪に伺う道すがら考えるのは、「どうすれば防げたのか」ということばかりです。手を抜いていたわけではありません。それでも起きてしまう。そこが毛の混入のやっかいなところです。

当時やっていた対策と、その限界

もちろん、何もしていなかったわけではありません。厨房では次のことをやっていました。

コックコートの上から腕をゴムバンドで留める

袖口から毛が落ちないよう、コックコートの上から腕にゴムバンドを巻いて締める方法です。腕をボウルに深く入れても袖がずり落ちず、隙間もできにくくなります。同業の方なら、見たことがあると思います。

帽子をきちんとかぶる

頭髪については帽子です。髪を全部入れてかぶることが基本になります。

粘着ローラー(コロコロ)を1日2回

私は今も、朝と昼の2回、粘着ローラーで白衣をかけています。作業前だけでなく、途中でもう一度やるのがポイントです。半日働けば、それだけ毛やホコリが付きます。

ここまでやっても、年に1〜2回は起きていました。毛は目に見えにくく、動くたびに落ちる可能性があります。「気をつける」だけでは、どうしても限界があるのだと思います。

だから、脇を脱毛することにした

対策を積み重ねても防ぎきれないなら、落ちる毛そのものをなくせばいい。そう考えて脱毛を決めました。

私の場合はこうでした。

項目 私の場合
施術した場所 湘南美容クリニック
部位 脇のみ
回数 9回くらい
費用 約2万円
期間 2年かからないくらい
痛み 普通に痛いが、我慢できる程度

脇だけなら、費用は思っていたよりかかりませんでした。年に1〜2回の異物混入リスクが減ることを考えたら、安い投資だったと思っています。

マロン
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痛みは、正直あります。でも我慢できないほどではありませんでした。1回あたりの施術はすぐ終わります。回数を重ねるうちに、生えてくる量が減っていくのが分かります。

※脱毛は医療行為です。効果・痛みの感じ方には個人差があります。料金も改定されるので、検討される場合は必ず各院の公式サイトでご確認ください。

独立してからは、混入がゼロになった

自分の店を持ってからは、製造は私ひとりです。そして自分の脇毛はもうありません。この2つが揃って、生地に毛が入ることはなくなりました。

気づいたこと

複数人の厨房では、自分がどれだけ気をつけても、他の人の毛が入る可能性があります。しかも誰の毛か分からないので、原因を特定して直すこともできません。一人で作るようになって初めて、それがどれだけ大きな要因だったかが分かりました。

これから開業する方へ

お伝えしたいことは2つです。

ひとつ目。ひとりで製造するなら、自分の対策だけで完結できます。これは個人店の大きな強みです。脱毛でも、ゴムバンドでも、コロコロでも、自分が決めたことをやり切れば結果が出ます。

ふたつ目。人を雇うなら、仕組みが必要です。「気をつけてね」では防げません。私自身、気をつけていて防げませんでした。制服の着方、ローラーの回数とタイミング、髪の入れ方——ルールとして決めて、全員で同じようにやる。そこまでやって、ようやく確率が下がります。

異物混入は、起きてしまえばお客様の信頼を大きく損ないます。開業前の準備リストに、ぜひ「毛の混入をどう防ぐか」も入れておいてください。

まとめ

  • 修業時代、対策をしていても年に1〜2回は毛が生地に入っていた
  • お客様からのご指摘で、お宅まで引き取りに伺ったこともある
  • やっていた対策はゴムバンド・帽子・粘着ローラー1日2回。それでも限界があった
  • だから脇を脱毛した(9回・約2万円・2年弱・痛みは我慢できる程度)
  • 独立後はひとり製造+脱毛済みで混入ゼロ
  • 人を雇うなら「気をつける」ではなく仕組みで防ぐ

お菓子屋開業のロードマップ|9年目店主の全記事まとめ【保存版】もどうぞ。

よくある質問

Q. 脱毛はどのくらい費用がかかりましたか?
A. 私は脇だけで、9回通って約2万円でした。部位を増やせば当然変わりますし、料金は改定されるので、最新の金額は公式サイトでご確認ください。

Q. 痛みはどうでしたか?
A. 普通に痛いですが、我慢できる程度でした。ただし感じ方には個人差があります。

Q. 脱毛しないと毛の混入は防げませんか?
A. そんなことはありません。私自身、脱毛前もゴムバンド・帽子・粘着ローラーで対策していました。脱毛はあくまで「自分にできる対策をもう一段増やした」という選択です。

Q. 粘着ローラーはいつかけるのがいいですか?
A. 私は朝と昼の2回です。作業前だけでなく、半日たったところでもう一度かけると違います。

――以上、9年目のお菓子屋店主マロンがお届けしました。

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