新商品を当てるより簡単?人気商品を横展開する「季節シリーズ化」戦略

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マロン
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広告費をかけなくても、季節商品はちゃんと売れます。理由はシンプルで、大手さんがテレビやCMでお客さんの気分を作ってくれるから。うちはそこに、自分の得意な商品を”乗せる”だけです。今日はその戦略を正直にお話しします。

結論から言います。新しい当たり商品をゼロから開発するのは、正直かなりの博打です。それより、「今すでに人気の商品」を季節ごとに味変えして横展開する方が、はるかに売れます。うちの場合、人気のチーズケーキを軸に、栗の時期は栗味、抹茶が話題になる時期は抹茶味にする——それだけです。そして中身は、半生タイプや冷凍しない旬の果物など「大手が真似しにくい作り方」にする。この二段構えが、広告費ゼロでもできる「季節シリーズ化」戦略です。

新商品を「当てる」のは難しい。だから横展開する

お菓子屋をやっていると、「新作を出せば売れるんじゃないか」と考えがちです。私も何度もそう思いました。でも、まったく新しい商品がヒットするかどうかは、正直やってみないと分かりません。試作の手間も、材料費も、外れたときの精神的ダメージも大きい。

一方で、すでにお客さんに支持されている商品を「季節ごとに味変えする」だけなら、当たり外れのリスクがぐっと下がります。ベースの美味しさはすでに証明済みだからです。うちで言えば、人気のチーズケーキがベース。そこに、季節ごとの人気の味をのせていきます。

大手の広告に「タダ乗り」する、という発想

ここが今日一番伝えたいことです。栗の時期、抹茶が話題の時期——これは、大手メーカーがテレビCMやSNS広告で何億円もかけて作ってくれている「気分」です。お客さんは大手の宣伝を見て、無意識に「そろそろ栗のスイーツが食べたいな」「抹茶のものが気になるな」という気分になっています。

個人店に、テレビCMを打つ広告費はありません。でも、その”気分”にただ乗りして、自分の得意な商品を季節の味にするだけなら、広告費はゼロでできます。大手が数億円かけて需要を作ってくれて、うちはそこに軽やかに乗る。これが私の季節商品の作り方です。

やり方はシンプル:ベース商品を1つ決めて、味だけ変える

うちの実例で言うと、こうです。

  • ベース商品:一番人気のチーズケーキ
  • 栗の時期:同じチーズケーキを栗味にする
  • 抹茶が話題の時期:同じチーズケーキを抹茶味にする

見た目も作り方の骨格もほぼ同じ。変わるのは味の部分だけなので、新商品を一から開発するより、はるかに少ない手間で「季節限定」を作れます。そして「季節限定」という言葉自体が、お客さんにとって”今買う理由”になります。

大手には真似しにくい”仕掛け”を混ぜる|半生・冷凍しない旬の果物

ただ大手の波に乗るだけでは、正直「同じような商品が近所のコンビニにもある」で終わってしまいます。そこでうちが意識しているのは、「大手だと構造的に作りにくいスタイル」を混ぜることです。

  • 半生タイプで作る:うちのチーズケーキは、しっとり系の半生タイプです。日持ちがしにくい分、全国チェーンのように長い流通・長い賞味期限を前提にした作り方はできません。逆に言えば、「その場で作って、その場で食べてもらう」個人店だからこそ出せる食感です
  • 旬の果物は冷凍しない:果物は冷凍すると食感がどうしても変わります。全国展開する大手は、品質を均一にするために冷凍・加工した果物を使うことが多いですが、うちは地元で採れる旬の果物をそのまま使います。手間はかかりますが、これも大手には出しにくい強みです

そもそも日本人は、四季の移ろいを楽しむ感覚が強い国民性だと思います。「その季節にしか味わえない」旬の果物は、それだけでお客さんの心を動かす力があるんです。だからこそ、冷凍で均一化された果物ではなく、その時期にしか出せない生の食感にこだわる意味があります。

大手の広告で作られた「季節の気分」に乗りつつ、その中身は大手に真似できないものにする。これがセットになって初めて、うちの季節商品はちゃんと選ばれる理由を持てるんだと思っています。

タイミングの見極め方:自分がテレビやSNSで気づいたとき

「いつ動けばいいか」と聞かれることがありますが、私は難しく考えていません。自分が普段テレビやSNSを見ていて、「あ、そろそろこの味の季節だな」と気づいたときに作る——それだけです。

自分自身が一人の消費者として「食べたくなる気分」を感じるということは、他のお客さんも同じタイミングで同じ気分になっている可能性が高い、ということです。マーケティング調査をするより、自分の感覚を信じる方が、個人店には合っていると感じています。

この戦略のいいところ:低リスクで、発信のネタにもなる

  • 開発リスクが低い。ベースはすでに人気の商品なので、大きく外れることが少ない
  • 広告費がかからない。需要は大手が作ってくれる
  • SNSの発信ネタになる。「季節限定」は、それだけで投稿する理由になります。うちはSNSだけで集客している話をこちらの記事に書きましたが、季節シリーズはその発信の柱のひとつです
  • 常連さんが飽きない。ベースは同じでも、味が変わるので新鮮さが続きます

注意点:ベース商品選びだけは慎重に

この戦略が成り立つのは、「ベースにする商品が、すでにちゃんと人気であること」が前提です。人気のない商品をベースにして味だけ変えても、ヒットにはつながりません。まずは自分の店で一番支持されている商品を見極めることが、遠回りに見えて一番の近道です。

まとめ|「乗る需要」と「真似できない中身」の二段構え

  • 新商品をゼロから当てるのは博打。人気商品の季節横展開の方が低リスクで売れる
  • 季節の「気分」は大手の広告が作ってくれる。個人店は広告費ゼロでそこに乗る
  • ただし中身は半生タイプ・冷凍しない旬の果物など、大手が構造的に真似できないスタイルに
  • タイミングは難しく考えない。自分がテレビやSNSで「その季節だ」と感じたときが合図

よくある質問(FAQ)

Q1. 広告費をかけずに季節商品を売るコツはありますか?

大手メーカーのテレビCMやSNS広告が作ってくれる「季節の気分」に乗ることです。栗や抹茶などのタイミングで、自分の店の人気商品を季節の味に変えるだけで、需要作りは大手に任せられます。

Q2. 新商品開発と季節限定、どちらを優先すべきですか?

私は季節限定(人気商品の横展開)を優先しています。ゼロから新商品を当てるのはリスクが大きく、すでに人気の商品を味変えする方が、失敗が少なく手間も小さいからです。

Q3. どのタイミングで季節商品を作ればいいですか?

私は自分がテレビやSNSを見ていて「その味の季節だな」と感じたタイミングで作っています。自分が消費者として感じる気分は、他のお客さんの気分とも重なることが多いです。

▶ 開業の検討から経営まで、当ブログの全記事を「読む順番」に整理した保存版ロードマップまとめもどうぞ。

🍰 おまけ:お菓子の豆知識

チーズケーキのベースに抹茶や栗を混ぜ込むとき、粉類と同じタイミングで加えると生地がダマになりにくいです。後入れすると混ざりにくく、風味にムラが出ることがあるので、順番はちょっとしたコツになります。

――以上、9年目のお菓子屋店主マロンがお届けしました。

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