お菓子屋のクリスマス商戦|準備は夏から、1年目は200台余った

開業・独立系
マロン
マロン

まだ夏ですが、お菓子屋のクリスマスはもう動き出しています。私も飾りを選び始めました。

結論から言うと、お菓子屋のクリスマス商戦は夏から準備が始まります。そして1年目、私は400台作って200台しか売れませんでした

この記事では、9年やってきた準備のスケジュール、1年目の大失敗、そして「売上1位の月が、利益1位ではない」という意外な話までまとめます。これから開業する方に、いちばん知っておいてほしい話です。

準備のスケジュール|夏から本番までの流れ

まず全体像です。9年やってきて、今はこの流れに落ち着いています。

時期 やること
夏(7〜8月) 飾り・箱の選定と発注。業者の商談会に参加
10月末〜11月 予約の受付開始
12月に入ったら 冷凍できるものから作り始める。短期アルバイトを手配
12月23日〜 仕上げ。ここからが本番

夏|飾りと箱は、早く頼まないと無くなる

意外に思われるかもしれませんが、クリスマスの準備でいちばん早いのは飾りと箱です

この時期、資材の業者さんがクリスマス商談会を開くところもあります。カタログを見て、実物を見て、その場で決めていきます。

人気の飾りや箱は、早く頼まないと無くなります。「12月になってから選ぼう」では、欲しいものが手に入りません。ケーキの見た目を決める部分なので、ここを妥協すると1年分の商戦に響きます。

10月末〜11月|予約の受付を始める

予約は10月の終わりか、11月に入ってから受け付けます。この予約の数が、そのまま製造の計画になります。ここが後で書く「1年目の失敗」に直結する部分です。

12月|冷凍できるものから作り始める

12月に入ったら、冷凍できるものから前倒しで作っていきます。スポンジなど、先に作って冷凍しておけるものを積み上げておく。当日に全部やろうとすると、絶対に間に合いません。

あわせて、クリスマス期間だけ短期のアルバイトを入れます。夫婦2人では、どうにもならない量になるからです。

12月23日〜|仕上げ、そして睡眠1時間

23日から仕上げに入ります。ここからは、正直に書くと壮絶です。

マロン
マロン

1年目と2年目は、睡眠1時間でした。朝5時くらいに帰って、1時間だけ寝て、またすぐ店に戻る。そんな感じです。

今は経験を重ねて多少マシになりましたが、クリスマスが体力勝負であることは変わりません。開業を考えている方は、ここは覚悟しておいてください。

1年目の失敗|400台作って、200台しか売れなかった

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。

開業1年目。どれくらいお客様が来るのか、まったく分かりませんでした。足りなくなるのが怖くて、400台くらい作りました。

結果、売れたのは200台くらいでした。

なぜ売れなかったのか

認知がまだ取れていなかったからです。開業したばかりの店は、まだ地域に知られていません。だから当日売りがほとんど売れませんでした。予約は入っていても、「ふらっと立ち寄って買う」お客様がいなかったのです。

大量の廃棄が出ました。あれだけ準備して、寝ずに作って、残ったケーキを前にしたときの気持ちは、今でも忘れられません。

マロン
マロン

やりきった達成感と、悔しさが同時にありました。「もっと売れると思っていた」という気持ちと、「読みが甘かった」という反省と。

2年目からは「予約分+α」だけにした

2年目、作った数は250台くらいです。1年目より150台減らしました。

やり方を変えたのは1点だけ。予約分に、少しだけ上乗せする。それだけです。

開業して間もない店は、当日売りをあてにしてはいけません。まだ知られていないからです。予約という「確実な数字」を土台にして、そこに少し足す。この考え方に変えてから、廃棄はぐっと減りました。

逆に言えば、予約をどれだけ集められるかが、クリスマス商戦のすべてです。10月末から予約を受けるのは、そのためでもあります。

売上1位の月が、利益1位ではない

もうひとつ、開業前には気づけなかったことを書きます。

年商を公開した記事のとおり、売上がいちばん大きいのは12月です。クリスマスがあるので当然です。

ところが、手元に残る利益でみると、話が変わります

12月(クリスマス) 3月
売上 年間で最大 大きい
原価 重い(生ケーキ中心) 軽い(焼き菓子中心)
利益の残り方 思ったより残らない 残る

クリスマスは生ケーキが中心です。生クリーム、いちご、飾り、専用の箱——原価がかさみます。さらに短期アルバイトの人件費もかかり、廃棄のリスクもある。

一方、3月は卒業・入学・送別のシーズンで焼き菓子がよく出ます。焼き菓子は日持ちするので廃棄が出にくく、原価も比較的軽い。結果として、利益が残るのは3月なのです。

マロン
マロン

「クリスマスで一年が決まる」とよく言いますし、実際そのくらい大事な日です。でも数字を追いかけていくと、利益をつくっているのは別の月だったりします。

年間の売上の波についてはお菓子屋の1年間のリアルにまとめています。あわせてどうぞ。

これから開業する方へ

3つだけ、お伝えしたいことがあります。

ひとつ目。飾りと箱は夏に決めてください。人気のものは無くなります。12月に慌てても遅いです。

ふたつ目。1年目は作りすぎないでください。認知が取れていない店は、当日売りが動きません。予約分+αで十分です。足りなくて謝るより、大量に捨てる方がずっと苦しいです。

みっつ目。売上と利益は別ものです。クリスマスは店の顔になる大事な日ですが、「ここで儲ける」と考えすぎると、原価と人件費と廃棄で思ったほど残りません。年間を通してどう利益をつくるかで考えてください。

まとめ

  • クリスマスの準備は夏から。飾りと箱は早く押さえないと無くなる
  • 予約受付は10月末〜11月。この数が製造計画の土台になる
  • 12月に入ったら冷凍できるものから前倒し。短期アルバイトも手配
  • 23日から仕上げ。1〜2年目は睡眠1時間だった
  • 1年目は400台作って200台しか売れず、大量に廃棄した
  • 2年目からは予約分+αの250台に。認知が取れるまで当日売りはあてにしない
  • 売上1位は12月、利益が残るのは3月。原価の重さが違う

お菓子屋開業のロードマップ|9年目店主の全記事まとめ【保存版】もどうぞ。

よくある質問

Q. クリスマスの準備はいつから始めればいいですか?
A. 飾りと箱の発注は夏(7〜8月)です。業者さんの商談会もこの時期にあります。予約受付は10月末〜11月、製造は12月に入ってから冷凍できるものを前倒しで作ります。

Q. 1年目は何台くらい作ればいいですか?
A. 台数は店の規模や立地によりますが、考え方としては予約分+少しだけです。私は1年目に400台作って200台余らせました。開業したての店は認知がないので、当日売りをあてにしないでください。

Q. 人手はどうしていますか?
A. クリスマス期間だけ短期のアルバイトを入れています。夫婦2人では回りません。

Q. クリスマスがいちばん儲かる月ですか?
A. 売上はいちばん大きいですが、利益で見ると3月の方が残ります。生ケーキは原価が重く、人件費も廃棄リスクもあるためです。

――以上、9年目のお菓子屋店主マロンがお届けしました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました