はじめに

製菓業界の給料、本当のところお話します。
「製菓の仕事って稼げるの?」「ケーキ屋って給料安いって本当?」「独立したら本当に変わるの?」
これは私が業界に入る前、ずっと不安だったことです。
この記事を書いている私マロンは、製菓専門学校を卒業後、4店舗で修業を積み、32歳で独立しました。初任給13万円のスタートから、独立後は年収1,000万円台まで変えた経験を、今日は正直に話します。
ネットでは出てこないリアルな数字を全公開するので、製菓業界で働く方・目指す方は最後まで読んでみてください。
結論:給料制のままでは厳しい。でも独立すれば変えられる。
先に結論を書きます。
製菓業界は給料制のままでは正直キツいです。でも、転職で給料を上げる工夫と、独立という選択肢を持てば、人生は変わります。
私のリアルな数字で証明します。
私の初任給は13万円。1日12時間労働でした
最初に勤めたお店での待遇は、こんな感じでした。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 月給 | 13万円 |
| ボーナス | 年3ヶ月分(約39万円) |
| 年収 | 約195万円 |
| 1日の労働時間 | 12時間 |
| 月の労働日数 | 約25日 |
| 月の総労働時間 | 約300時間 |
| 時給換算 | 約540円 |
月給だけ見ると13万円ですが、ありがたいことにボーナスが年3ヶ月分支給されたので、初年度の年収は約195万円でした。製菓業界の初任給としては悪くない水準だったと思います。
それでも、時給に換算すると当時の最低賃金を下回るレベル。生活していくにはギリギリでした。
製菓の仕事は「やりがい搾取」の典型と言われることがありますが、業界に入って早々にそれを実感したのが正直なところです。
製菓業界の転職が多い3つの理由
私自身、最終的に4店舗で修業しました。製菓業界は転職が多い業界です。理由は明確で、
- 給料が低い(技術職のわりに賃金が上がりにくい)
- 体力的にきつい(早朝・立ち仕事・暑い厨房)
- 技術の方向性がお店によって違う(自分に合う店を探すため転職する)
ただし、転職を繰り返す中で「逃げの転職」と「学びの転職」では人生が全く変わるということを学びました。
「学びの転職」で年収180万円アップした話
私が経験した転職の中で、一番大きかったのは年収が180万円アップしたケースです。
「ただ給料が高い店に転職した」のではなく、自分が次に学びたい技術が明確だったので、その技術を持っている店に交渉して入りました。
転職で大事なのは、
- なぜ辞めるのか
- 次に何を学びたいのか
この2つを明確にすること。給料アップは、目的を持って動いた結果ついてくるおまけです。
独立直前の最後の店、私の年収は350万円でした
修業を重ねて4店舗目。独立する直前の私の年収は350万円でした。
業界の中では悪くない水準です。でも、家庭を持って子供を育てていくことを考えると、決して十分とは言えません。
「このまま職人を続けていても、年収が大きく上がる未来は見えない」
そう感じたのが、独立を決意した最大の理由です。
独立後、年収は1,000万円台になりました
独立して9年目。今の私の年収は1,000万円台です。
| 時期 | 年収 |
|---|---|
| 初任給時代 | 約195万円(月給13万円+ボーナス3ヶ月分) |
| 独立直前 | 350万円 |
| 独立後(現在) | 1,000万円台 |
雇われていた頃と比べて、独立直前の約3倍になりました。
これは「独立して家賃や設備費を払った後の、税引前の所得」です。サラリーマンの年収感覚で言うと、かなり大きな数字だと自分でも思います。
ただし、今は1日14時間働いています
正直に書きます。
雇われていた頃は12時間労働でした。今は14時間働いています。
「独立すれば自由になる」というイメージを持つ方もいますが、現実は逆です。お店を回すために、自分が一番働かなければいけません。
でも、これは「やらされている14時間」ではなく「自分の店のために自分で選んだ14時間」です。心の感じ方が全然違います。
それでも独立して本当に良かった理由
労働時間が増えても、独立して良かったと思う理由はこの3つです。
①自分の判断で店が変えられる。雇われていると上司の方針に従うしかありません。独立すれば、商品も価格もディスプレイも全部自分で決められます。
②頑張れば頑張った分、収入になる。給料制では、どんなに頑張っても月給は決まっています。独立すれば、努力と工夫が直接収入につながります。
③家族のために働ける。私は妻と子供2人と暮らしています。家族のために働けるという実感が、独立してから一番大きくなりました。
製菓業界で働き続けるための3つの選択肢
業界に残るなら、選択肢は大きく3つです。
| 選択肢 | 特徴 |
|---|---|
| ①職人として有名店で働く | 技術を極められる。給料はあまり上がらない |
| ②大手チェーン・ホテルに行く | 給料は安定。技術より管理職になる傾向 |
| ③独立して自分の店を持つ | 収入の上限がない。リスクと労働時間も増える |
どれが正解ということはありません。自分の人生で何を優先したいかで選ぶべきです。
開業を考えている方へ
雇われ時代の3倍の収入になった私が、これから独立を考えている方に伝えたいことは2つです。
①完璧な準備を待たないでください。私自身、無知だからこそ開業できました。経営の大変さを全部知っていたら、躊躇していたかもしれません。
②小さく始めてください。最初から大きな店を作る必要はありません。私の店は13坪・家賃6万円のスケルトン物件からスタートしました。小さく始めて、利益が出てから広げる。これが長く続ける一番のコツです。
まとめ
製菓業界で働く方・目指す方に向けて、私のリアルな数字を全部公開しました。
- 初任給は13万円、ボーナス3ヶ月込みで年収195万円・12時間労働。時給換算約540円という現実
- 「学びの転職」で年収180万円アップした経験あり
- 独立直前の年収は350万円。決して悪くないが家族を養うには足りない
- 独立後の年収は1,000万円台。約3倍に変わった
- ただし労働時間は14時間に増えた
- それでも独立して本当に良かった
製菓の仕事は給料制では正直キツいです。でも、転職で学びを積みながら、独立という選択肢を頭に入れておけば、人生は変えられます。
この記事が、製菓業界で働く方・目指す方の参考になれば嬉しいです。
🍰 おまけ:お菓子の豆知識
最後まで読んでいただきありがとうございます。せっかくなので、お菓子の豆知識をひとつ。
シュークリームの「シュー」はキャベツの意味
パティスリーの定番、シュークリーム。あの「シュー」、実はフランス語の「chou(シュー)」=「キャベツ」が由来です。
シュー生地を焼くと中の水分が蒸発して膨らみ、表面がデコボコのドーム状になります。その膨らんだ形がキャベツに似ていることから、フランスでは「chou à la crème(シュー・ア・ラ・クレーム=クリーム入りキャベツ)」と呼ばれているんです。
製菓の現場では当たり前ですが、一般の方に「シューってキャベツって意味なんですよ」と言うと結構驚かれます。
――以上、9年目のお菓子屋店主マロンがお届けしました。
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